先日も書いたがWOWOWで放送している超大作戦争ドラマ「ザ・パシフィック」を毎週じっくり観ている。
ついに最終回を迎えることになったが、最終回は戦争が終わった後のお話なので太平洋戦争の戦闘シーンは前回で終わりである。
というわけで、自分としてはもう終わったようなもんなので、ここいらでうだうだと書いておきたい。

さて後半戦だが5話から7話は米海兵隊が凄まじい被害を出したペリリュー島の戦いを描いている。
第1話のガダルカナル島では米軍のブローニングM1917重機関銃の前に日本軍はバタバタと倒れていくシーンがあったけど、ペリリュー島において日本軍は無謀な突撃をやめて要塞化した陣地を構築してガチガチに守りを固めて立てこもって激しく抵抗したので、海兵隊はとてつもない被害を出してしまった。
ドラマでは砲弾や銃弾が降り注ぐペリリュー島の飛行場を横断するシーンがプライベート・ライアンのノルマンディ上陸作戦のシーンのように凄まじいものだった。
ちなみに硫黄島のシーンは8話のみであり、しかも短いが硫黄島の戦いは映画で有名だし、まぁいいんじゃないかな。
ザ・パシフィック ペリリュー島

日本軍兵士の描写について、前回も書いたが不自然というかなんというか、例えるとFPSゲームの敵キャラみたいな感じがする。
FPSゲームの敵キャラってのはみんな顔が同じで、襲いかかってくる時に発するセリフが不自然で、総じて不気味に感じるのである。
もう人間というか人として描いていないので、クリーチャーと言ってもいいくらい。
当時のアメリカ人から見て日本軍兵士はそのように見えたのだろうか。
「ザ・パシフィック」と同じ制作スタッフが作った「バンド・オブ・ブラザース」のドイツ軍兵士とはあまりにも違いすぎる。
ザ・パシフィック ペリリュー島

ドラマではペリリュー島や沖縄において火炎放射器を使って火炎をトーチカに放つシーンが見られた。
これはトーチカや洞窟に陣地を築いて立てこもる日本軍に対して火炎放射器で焼き払った後に入り口を爆破する「トーチランプ&栓抜き戦法」で多用された。
トーチランプ&栓抜き戦法、これを英語でBlowtorch & Corkscrewという。
話は変わるが第二次世界大戦を描いたFPSゲームのCall of Duty: World at Warの中でBlowtorch & Corkscrewというタイトルのミッションがあるのだが、高い難易度(ベテラン)でプレイした時に最も苦戦したミッションなのでよく覚えている。
そのゲームの中でも日本軍の抵抗は激しく手強かった。
ザ・パシフィック M2火炎放射器

さて「ザ・パシフィック」の主人公について。
主人公は3人。
まずは、ロバート・レッキーから。
前半戦では登場シーンが多く、ガダルカナル島の戦いや、戦闘以外では特にメルボルンで大活躍(笑)
グロスター岬で精神を病み、夜尿病を患って病院送りになったりと、戦闘シーン以外での描写が印象に残る。
ザ・パシフィック ロバート・レッキー

演じているのはジェームズ・バッジ・デール。
私は24のシーズン3でジャック・バウアーにたてつきまくったチェイス・エドモンズの役が記憶に残っているが、「ザ・パシフィック」では表情が豊かで良かったと思う。
日本軍の拳銃を見つけたら密かに上官に没収されてしまったが、それを密かに取り返したりと型破りなキャラで面白い。
私は3人の主人公なかでは一番好きなキャラクターである。
ザ・パシフィック ロバート・レッキー

お次はジョン・バジロン。
まさに模範的なガチムチマッチョなアメリカ軍人を絵に書いたような人物。
ガダルカナルの戦いの功績により勲章を受けた後、国に戻って戦時国債のキャンペーンで貢献するよう命じられてしまう。
そしてアメリカ国内では有名人となり除隊の日も近づいてきたが、再び戦地に赴くことを希望し、直接戦場で戦うことで国に貢献したいと考えているまさに英雄である。
ドラマでは死亡フラグをこれでもかってほど立てまくって硫黄島の戦いに参加したので、肝心の硫黄島の戦いのシーンが短くなってしまったがね。
ザ・パシフィック ジョン・バジロン

ジョン・バジロンの得意な武器は重機関銃だ。
日本軍を苦しめた重機関銃だが、基本的には固定して撃つものであり、持ち運びながら撃つことを想定したシロモノじゃない。
しかし、バジロンは時にはひとりで抱えて撃つこともできたのだから、これはもうリアルランボーである。
ザ・パシフィック ジョン・バジロン

最後はユージン・スレッジだ。
前半では裕福な家庭で育ったお坊ちゃん風に描かれており、彼の両親は反対だったが当時の多くの若者がそうだったように戦場へ行くことを希望した。
そして海兵隊へ入隊して初陣が激戦のペリリュー島というから、よく生き残れたものだ。
彼が所属していたのは迫撃砲の部隊なので戦場では最前線より少し後方なんて言っていたが、ドラマではそんなこと関係なく砲弾が雨のように降ってきて死にまくっているからね。
演じているのはジュラシックパークの子役だったジョゼフ・マゼロである。
大きくなってまたスピルバーグの作品に出演できたのね。
ザ・パシフィック ユージン・スレッジ

ユージン・スレッジの所属した部隊は頼れる隊長や古参兵の軍曹が居る部隊であったが、隊長は戦死し、軍曹は戦意を喪失して戦えなくなってしまった。
古参兵でもオカシクなるほどのペリリュー島から生還した時のユージン・スレッジの表情が印象に残る。
ザ・パシフィック ユージン・スレッジ

ユージン・スレッジは沖縄戦にも参加した。
ドラマでは第9話が沖縄戦を描いており、ほぼ全て戦場のシーンなのだが・・・
何もかもがつらい内容なのでブログでは言及できない。
色々と言いたいこともあるのだが、沖縄というのは現在もデリケートな問題を抱えているわけで、ド素人がふざけた文章をぶちまけると誤解される恐れもあるので心にしまっておきたいと思う。

で、まとめると「ザ・パシフィック」は戦争ドラマとしては面白くない。
戦争ドラマとしては「バンド・オブ・ブラザース」のほうが楽しめる。
しかし、「ザ・パシフィック」が描いた太平洋戦争の戦闘の凄まじさは戦争映画・戦争ドラマファンなら一見の価値はあると思う。
ただし沖縄戦の描写はテレビドラマというエンターテイメントの枠を超えてしまったと思う。
それでも観て良かったと思う。
とりあえず日本のお涙ちょうだいの戦争ドラマなんかよりも観る価値はある。