ロストプラネット2について書こうと思ったけど、気が乗らないので、最近ハマっている海外ドラマのジェネレーション・キルについて。
ジェネレーション・キル(Generation Kill)はイラク戦争において米海兵隊第1偵察大隊に同行したジャーナリストの同名ノンフィクションを映像化した全7話のドラマである。
兵士の日常はくだらないおしゃべりが大半を占めている。
噛みタバコをやりながら、仲間とダベって、唾を吐いているのである。

第1偵察大隊は、戦車もなければLAV(軽装甲車)すら持っていない。
頼りになるのはハンヴィーだけ。
そして与えられたミッションは、偵察ではなく・・・実際には強襲であった。

移動中も相変わらず退屈なバカ話や歌を歌ったりしてヒマをつぶしている。
このあたりは戦争ドラマというよりロードムービーなノリだな。

もちろん戦争ドラマだから戦闘もある。
戦車も装甲車もない第1偵察大隊の直接戦闘はハンヴィーに装備されたMK19を撃ちまくって、各兵士がアサルトライフルやSAW(分隊支援火器)を撃つ銃撃戦が中心である。
民兵が潜んでいる街の中に進んでいくと突然襲われる緊張感がある。
派手な戦争アクション映画風ではなく、淡々としているので戦闘シーンも現実味が感じられる。
なにしろこのドラマにはBGMが一切ないので余計にそう感じる。

さて登場人物だが、全7話のミニドラマなのに登場人物がメチャメチャ多い。
でもって皆、同じ兵士の格好をしているから最初は誰が誰やら分からなくなるかと思う。
事前に公式サイトでキャストを確認しておくといいね。
じゃあ、何人か紹介していこう。
※ご注意※
以下はあくまで私個人の意見であり、公式の情報に基づいた説明ではありません。
あらかじめご了承ください。
ブラッド・コルバート軍曹
あらゆる状況において冷静沈着なため「アイスマン」と呼ばれ、頼れるチームリーダーである。
クールな男だが、レイのバカ話にも調子を合わせる付き合いの良さもある。
ジェネレーション・キルは特に主人公を定めていないドラマだが、彼は原作者のエヴァン・ライトが搭乗した車両のリーダーなので登場シーンが特に多いようだ。

ジョシュ・レイ・パーソン伍長
コルバート軍曹の乗る車両のドライバーであり通信担当である。
コルバート軍曹いわく優秀な通信兵であるが、調子に乗るといつまでもバカ話をしゃべり続けるチームのムードメーカーである。

ハロルド・トロンブリー兵長
隊の新米であるトロンブリー兵長は、パーソン伍長いわくゲームとラップに汚染されて暴力に鈍感な今時の若者である。
武器はSAW(分隊支援火器)を担当する。
普段はおとなしい彼が撃つと命中するのだが・・・

ナザニエル・フィック中尉
ブラボー小隊の小隊長を努める若き士官。
顔はちょっとあどけないが、誠実な人柄や的確な指示で部下の信頼を得ている。
大隊のやり方に疑問を抱きつつも、任務を全うすべく小隊を指揮する。
戦場という環境で頭がおかしくなっている奴が多い中、まともな思考を維持している数少ない人物である。

ティモシー・ブライアン看護兵二曹
衛生兵的ポジションで皆からは「ドク」と呼ばれて尊敬されている。
戦場で傷を負った者、兵士だけでなくイラクの民間人も必死で助けようとする態度に感心した。
彼の所属は海兵隊ではなく海軍で、公式サイトによると階級はHospitalman 2nd Classとなっている。
海兵隊でいえば軍曹クラスだと思う。

ジョン・シクスタ上級曹長
規律規範にうるさく、たるんでいる兵士を怒鳴りつけている。
キャンプでは兵士を怒鳴りつけてやろうとアラを探してうろうろしている。
いわゆる鬼軍曹的ポジションなんだが、兵士達からは完全になめられている。
まぁ脇役なんだが、オレ的にはこういうキャラが大好きなのである。

ステファン・フェランド中佐
「ゴッドファーザー」こと第1偵察大隊の大隊長であるフェランド中佐は師団長のマティス少将の意図を汲み取り、十分な装備を持たない偵察部隊でありながらアグレッシブに討って出る作戦行動に出る。
大胆な決断を下す決断力やそれに伴う実行力を持ち合わせているが、部下の面倒見は良いとはいえない。
大隊の成果を上げる行動を最重要とし、作戦行動の邪魔になるものは知らん振りするかブッ潰していく合理主義者。

登場人物は実在の人物なので実名だ。
彼らのその後が気になったらググったりするものいいだろう。
イラク戦争ってなんだったんだ?
ジェネレーション・キルというドラマを観てイラク戦争って何だったんだ?という疑問と後味の悪い気分が何日も続く。
近代兵器による圧倒的な戦力で勝つのが分かりきっている戦争で、いかに勝つか。
バグダッドが陥落するまでに手柄を上げなきゃいけない。
臆病風に吹かれて無様な醜態をさらけだす部隊の長は即刻解任である。
これはレースなのである。

ジェネレーション・キルでは味方に誤射されたり、誤爆されたり、民間人を誤射したり、誤爆したりするシーンがある。
誤って民間人を殺してしまって意気消沈するくせに、偵察報告を無視して女子供しかいない村を爆撃して木っ端微塵にしてもあっけらかんとしている。
でも、ドラマを観ているうちに自分にもその感情が理解できるようになってくる。

兵士は戦場で戦うしかない。
オレはテレビで傍観するしかできない。
エキサイティングな戦争映画とは全然違う、この退屈な戦争ドラマの最終回のエンディングの後味の悪さが病みつく。
で、また最初から観ているオレがいる(笑)
では皆様「アッサラーム アライクム」